ボックス、スタックとヒープ
Rust のすべての値はデフォルトでスタック割り当てされます。値は Box<T>
を作成することで ボクシング(ヒープ上に割り当てる)することができます。ボックスは、型 T
のヒープ上に割り当てられた値へのスマートポインタです。ボックスがスコープ外になると、そのデストラクタが呼び出され、内部オブジェクトが破棄され、ヒープ上のメモリが解放されます。
ボクシングされた値は *
演算子を使用して参照解除することができます。これにより、1 層の間接参照が取り除かれます。
use std::mem;
#[allow(dead_code)]
#[derive(Debug, Clone, Copy)]
struct Point {
x: f64,
y: f64,
}
// 長方形は、その左上と右下の角が空間上のどこにあるかで指定できます
#[allow(dead_code)]
struct Rectangle {
top_left: Point,
bottom_right: Point,
}
fn origin() -> Point {
Point { x: 0.0, y: 0.0 }
}
fn boxed_origin() -> Box<Point> {
// この点をヒープ上に割り当て、それへのポインタを返す
Box::new(Point { x: 0.0, y: 0.0 })
}
fn main() {
// (すべての型注釈は余分です)
// スタック割り当ての変数
let point: Point = origin();
let rectangle: Rectangle = Rectangle {
top_left: origin(),
bottom_right: Point { x: 3.0, y: -4.0 }
};
// ヒープ割り当ての長方形
let boxed_rectangle: Box<Rectangle> = Box::new(Rectangle {
top_left: origin(),
bottom_right: Point { x: 3.0, y: -4.0 },
});
// 関数の出力をボクシングすることができます
let boxed_point: Box<Point> = Box::new(origin());
// 二重の間接参照
let box_in_a_box: Box<Box<Point>> = Box::new(boxed_origin());
println!("Pointはスタック上で {} バイトを占めています",
mem::size_of_val(&point));
println!("Rectangleはスタック上で {} バイトを占めています",
mem::size_of_val(&rectangle));
// ボックスのサイズ == ポインタのサイズ
println!("ボックス化された点はスタック上で {} バイトを占めています",
mem::size_of_val(&boxed_point));
println!("ボックス化された長方形はスタック上で {} バイトを占めています",
mem::size_of_val(&boxed_rectangle));
println!("ボックスのボックスはスタック上で {} バイトを占めています",
mem::size_of_val(&box_in_a_box));
// `boxed_point` に含まれるデータを `unboxed_point` にコピーする
let unboxed_point: Point = *boxed_point;
println!("参照解除された点はスタック上で {} バイトを占めています",
mem::size_of_val(&unboxed_point));
}