/proc/net でプロトコルを確認する
前のステップでは、netstat -s
を使用してプロトコルの統計情報を確認しました。今度は、これらの情報の一部が Linux ファイルシステムのどこから来ているかを見てみましょう。
Linux は、プロセス情報やシステム設定の詳細を含む /proc
という仮想ファイルシステムを提供しています。/proc
の中にある /proc/net
ディレクトリには、ネットワークスタックに関する情報が格納されています。
ls
コマンドを使用して、/proc/net
ディレクトリの内容を一覧表示できます。ターミナルに以下のコマンドを入力し、Enter キーを押します。
ls /proc/net
ネットワーク関連のさまざまな情報を表すファイルやディレクトリのリストが表示されます。出力は次のようになります。
arp dev_mcast ip_mr_vif netlink psched tcp6 udp6
dev if_inet6 ip_tables netstat rpc udplite unix
dev_snmp6 ip_mr_cache ipv6_route packet route udplite6
これらのファイルの多くには、ネットワークプロトコルや接続に関する詳細情報が含まれています。例えば:
tcp
:アクティブな TCP 接続に関する情報が含まれています。
udp
:アクティブな UDP 接続に関する情報が含まれています。
netstat
:netstat -s
が表示するのと同様のさまざまなネットワーク統計情報が含まれています。
/proc/net
内の netstat
ファイルの内容を表示してみましょう。cat
コマンドを使用してファイルの内容を表示できます。
以下のコマンドを入力し、Enter キーを押します。
cat /proc/net/netstat
出力はネットワーク統計情報の生データになります。netstat -s
の出力のように人間が読みやすい形式になっていないため、最初は少し圧倒的に感じるかもしれません。
TcpExt: SyncookiesSent SyncookiesRecv SyncookiesFailed EmbryonicRsts PruneCalled RcvPruned OfoPruned ...
IpExt: InNoRoutes InTruncatedPkts InEZHeadroomOutMcasts InBcastPktsOutBcastPkts InOctets OutOctets ...
このファイルには、netstat -s
などのツールが処理して整形する基となるデータが含まれています。/proc/net
内のファイルを調べることは、高度なネットワークトラブルシューティングやカーネルのネットワーク状態の理解に役立ちます。
現時点では、これらのファイルの存在と内容を確認するだけで、ネットワーク統計情報が /proc
ファイルシステムを通じて公開されていることを理解するのに十分です。
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