シンプルなイメージをビルドし、その履歴を確認する
このステップでは、シンプルな Docker イメージをビルドし、その履歴を確認する方法を学びます。Docker イメージのビルドには、Dockerfile
の作成が必要です。Dockerfile
は、イメージを構築するためにコマンドラインで実行可能なすべてのコマンドを含むテキストファイルです。
まず、~/project
ディレクトリに移動します(まだ移動していない場合)。
cd ~/project
次に、シンプルなDockerfile
を作成します。~/project
ディレクトリにDockerfile
という名前のファイルを作成します。
nano Dockerfile
Dockerfile
に以下の内容を追加します:
FROM ubuntu:latest
RUN echo "Hello, Docker!" > /app/hello.txt
CMD ["cat", "/app/hello.txt"]
このDockerfile
は以下の処理を行います:
FROM ubuntu:latest
: 新しいイメージのベースイメージを指定します。Docker Hub から最新版の Ubuntu イメージを使用します。
RUN echo "Hello, Docker!" > /app/hello.txt
: イメージビルドプロセス中にコマンドを実行します。/app
ディレクトリを作成し、"Hello, Docker!"というテキストをhello.txt
ファイルに書き込みます。
CMD ["cat", "/app/hello.txt"]
: このイメージからコンテナを起動した際に実行されるデフォルトコマンドを指定します。cat /app/hello.txt
コマンドを実行し、hello.txt
ファイルの内容を表示します。
ファイルを保存し、nano エディタを終了します(Ctrl + X
、次にY
、そしてEnter
を押します)。
次に、docker build
コマンドを使用して Docker イメージをビルドします。イメージにmy-hello-image
という名前とlatest
タグを付けます。コマンド末尾の.
は、Dockerfile
が現在のディレクトリにあることを示します。
docker build -t my-hello-image:latest .
ビルドプロセスを示す出力が表示され、各ステップが実行されていることがわかります。
イメージがビルドされた後、docker history
コマンドを使用してイメージの履歴を確認できます。このコマンドは、イメージを構成するレイヤーと各レイヤーを作成するために使用されたコマンドを表示します。
docker history my-hello-image:latest
出力には、各レイヤーに関する情報(レイヤーID、使用されたコマンド、作成時間、サイズなど)が表形式で表示されます。この履歴は、イメージのビルド方法を理解したり、ビルドの問題をデバッグしたりするのに役立ちます。