-t e でエポック時間を使用する
このステップでは、Wireshark のコマンドラインツール tshark
を使って、パケットのタイムスタンプをエポック形式で表示する方法を学びます。-t e
オプションは、tshark
にタイムスタンプをエポック時間(Unix 時間とも呼ばれます)として表示するよう指示します。エポック時間は、1970 年 1 月 1 日からの経過秒数をカウントします。この形式は、正確な時間計算を行う場合や、エポック時間を使用する他のシステムと統合する場合に特に役立ちます。
始める前に、パケットキャプチャファイルが保存されている正しい作業ディレクトリにいることを確認しましょう。
cd ~/project
ここで、-r
("read" の略)とともに -t e
オプションを使用して、サンプルのパケットキャプチャファイルを処理します。基本的なコマンド構造は簡単です。-r
の後に入力ファイルを指定し、エポック時間形式にするために -t e
を追加します。
tshark -r capture.pcap -t e
このコマンドを実行すると、2 列目にエポックタイムスタンプが表示される、以下のような出力が得られます。
1 1672531200.000000 192.168.1.1 → 192.168.1.2 TCP 66 443 → 34512 [SYN] Seq=0 Win=64240 Len=0
2 1672531200.000123 192.168.1.2 → 192.168.1.1 TCP 66 34512 → 443 [SYN, ACK] Seq=0 Ack=1 Win=65535 Len=0
各タイムスタンプが小数で表示されていることに注目してください。小数点前の部分は整数秒を表し、小数部分はマイクロ秒を表します。このような精度の高さがあるため、エポック時間はいくつかのシナリオで役立ちます。
- ネットワークイベント間の正確な時間間隔を測定する
- エポック時間を使用するシステムログとパケットキャプチャを照合する
- スクリプトや分析ツールでタイムスタンプに対して数学的な演算を行う
違いをよりよく理解するために、この出力を前の UTC 形式の例の結果と比較すると良いでしょう。両方の形式を並べて見ることで、同じ時刻が異なる方法で表現できることを理解しやすくなります。