昇格した特権で権限問題を解決する
Linux システム上で Nmap を実行する際、権限問題を解決する最も簡単な方法は、昇格した特権を使用することです。これは、sudo
コマンドで Nmap を実行することで実現でき、これによりユーザーに一時的にルートレベルのアクセスが付与されます。
sudo
コマンドの使用
昇格した特権で Nmap を実行するには、Nmap コマンドの前に sudo
コマンドを付けるだけです。
sudo nmap -sV -O <target_ip>
これにより、Nmap スキャンがルートレベルの権限で実行され、生のネットワークソケットにアクセスし、ネットワークインターフェイスを構成し、高度な OS 検出を実行できるようになります。
ただし、Nmap をルートとして実行する場合は注意が必要です。これはツールにシステムへの完全なアクセスを与えるため、ツールが誤用された場合やシステムが侵害された場合に意図しない結果を招く可能性があります。
Nmap バイナリに機能を付与する
Nmap をルートとして実行する代わりに、Nmap バイナリ自体に必要な機能を付与することができます。この方法により、Nmap はルートレベルのアクセスを必要とせずに操作を実行できます。
必要な機能を付与するには、setcap
コマンドを使用します。
sudo setcap cap_net_raw,cap_net_admin=eip /usr/bin/nmap
このコマンドは、Nmap バイナリに cap_net_raw
と cap_net_admin
の機能を設定し、ルート特権を必要とせずに生のネットワークソケットにアクセスし、ネットワークインターフェイスを構成できるようにします。
このコマンドを実行した後、ルート以外のユーザーとして Nmap を実行することができ、権限関連の問題に遭遇することなくタスクを実行できるはずです。
nmap -sV -O <target_ip>
機能設定の確認
getcap
コマンドを使用して、Nmap バイナリに付与された機能を確認できます。
getcap /usr/bin/nmap
これにより、次のように出力されるはずです。
/usr/bin/nmap = cap_net_raw,cap_net_admin+eip
sudo
コマンドを使用するか、Nmap バイナリに必要な機能を付与することで、Linux システム上で Nmap を実行する際の権限問題を効果的に解決できます。これにより、Nmap はアクセス関連の問題に遭遇することなく、ネットワークスキャンと分析タスクを実行できます。